新聞・雑誌等でみるロシア・CIS諸国の政治経済(愚考集)


by nekra
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 正直、タイプも遅いし、文章も下手なので一件投稿するのにかなり時間がかかる・・・。
今更人事なんてあちらこちらのメディア、研究機関等で分析が済んでいるので、今更ながらの感は否めないけれど。とりあえず、乗りかけた舟なので・・・愚考なんぞ。


 シロヴィキ派内部で、セーチン-パトルシェフ・グループとチェルケソフ・グループの対立が度々指摘されてきた。派閥内権力闘争が行われてきたと言われる。リベラル派に比してシロヴィキ派は権力欲が強く、とりわけポスト・プーチンの頃から各派はあらゆる手段を用いて、政権や他派閥にゆさぶりをかけては自派閥の勢力拡大に努めてきた。
 例えば、プーチン首相は自身の権力を保持するためにも、強引な手法で権力を追究するシロヴィキ派にうんざりしていたと言われる。

 ・・・プーチン氏率いる与党「統一ロシア」の大勝が確定してわずか2日後に後継候補を明確に示した背景には、後継大統領のポストをめぐり「シロビキ(武闘派)」と呼ばれる旧KGB出身者ら政権を支える指導部内部で起きている抗争の激化がある。
 KGBの後継機関である連邦保安局(FSB)が今年10月、麻薬流通監督庁の高官を逮捕する事件が発生したのに続き、財務省高官の汚職捜査をめぐり、この9月に発足したばかりの捜査委員会(SK)と検事総長が対立。肥大化し内部闘争を始めたシロビキの上に立つ(プーチン)大統領も下院選挙後、「いたずらに改革の時間を浪費してはいけない」と述べていた。・・・

 (「プーチン大統領 「弱い後継」院政へ布石 政権内抗争で指名早める」
  2007年12月17日付産経ニュース
  http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071211/erp0712110850005-n1.htm)

 シロヴィキ派の強硬派代表と言われたセーチンだが、今回人事で、大統領府副長官から(軍事産業を除く)産業政策担当の副首相となった。これまで「影の実力者」というイメージであったが、表舞台の政治家に転身したと言って良い。残念ながらこれを肯定的に捉える意見は多くない。大統領府でセーチンと対立していたと言われるシュヴァロフが、同じくプーチン首相の下第一副首相に決まったのに比べるとずいぶんと見劣りする状況だ。
 副首相就任と同時に、造船関係の会社の会長に就任したと言われるが、なおも代表取締役会長を務めるロスネフチが今年秋に株式総会が開かれるというので、この時期の流れ如何でプーチンがセーチンをどう考えて副首相に配置したかも分かってくるかもしれない。
 
 一方、昨年9月の首相就任を機に、突如大統領後継レースに登場したズプコフはどうか。
比較的高齢でシロヴィキ派内部で抗争が展開する中にあってニュートラルなポジションにいたと言われる。また実務能力や、中央-地方、シロヴィキ派内の折衝能力は申し分なく、プーチンの信任も厚かったと言う。
 その意味で、プーチンが4年後の返り咲きを前提に、ズプコフを大統領にする考えがあったことは想像に難くない。ズプコフもこの流れに関し満更ではなかったようだ。しかし、この人生の大先輩をのせるだけのせておいて、結果として後継を見送った。
 プーチンはこれを詫びるような意味を込めて彼を第一副首相にしたのではないだろうか。同じ第一副首相のシュヴァロフが難しい(しかし政治的にも重要である)分野を担当するのに対し、ズプコフは自身これまでの専門であった農林業のナショナル・プロジェクトなどを担当するという。
 ズプコフが最後の花道を飾るのに、一番良いポジションを用意したと言える。

 5月20日付『日本経済新聞』の「地球回覧-ロシアが手にする新たな『武器』」ではソ連邦崩壊後、コルホーズの民営化以降、経営力・技術不足から広大な農地を効率的に活用してこなかったことを教訓に、休耕地を再び活性化し、穀物などの一大食糧供給地にしようという動きがロシアで広がっていると書いてある。米カーギル等外資の参入もあり、国際穀物価格の急騰といった後押しをも受けて、ついにロシア政府が力を入れるのだ。
 ・・・「政府は農業に積極的に関与すべきだ」。プーチン内閣で農業などを担当する第一副首相に就任したズプコフ前首相はこう強調した。政府は昨年10月、国内価格の上昇に歯止めをかけることを建前に小麦などに輸出関税を課したが、これは国家管理の序章との見方が出て いる。・・・(中略)・・・プーチン氏は8日、下院での首相就任前演説で「ソ連時代ロシアは穀物輸入国だったが、今では輸出国となった」と胸を張った。
 (5月20日付『日本経済新聞』の「地球回覧-ロシアが手にする新たな『武器』」

 農業政策は中央と地方が対立するのは古今東西同じだが、折衝能力にも優れ、かつ実務家のズプコフ首相にとって本領を発揮できる最適のポジションといった良いだろう。
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# by nekra | 2008-05-27 16:39

この辺りの事情も・・・

<エネルギー輸送>ウクライナと周辺6カ国の首脳が会談 [ 05月23日 19時46分 ]

 【キエフ杉尾直哉】ウクライナと周辺6カ国の首脳が23日、キエフで「エネルギー安保」をテーマに会談、カスピ海産の石油・天然ガス資源をロシアを回避して欧州に運ぶ「バルト海―黒海―カスピ海・エネルギー輸送回廊」の創設で一致した。石油輸送ではウクライナ国内にある既存のパイプライン「オデッサ―ブロディ」を利用する計画だが、同ラインは現在、ロシアが自国産石油を黒海経由で輸出するために使っており、ロシアの反発も予想される。

 会議にはウクライナのほか▽アゼルバイジャン▽グルジア▽エストニア▽ラトビア▽リトアニア▽ポーランドの各大統領が参加。ウクライナのユーシェンコ大統領は今回の目的を「石油・ガスが政治の道具となるのを防ぐため」と述べ、ロシアの高圧的な資源外交への対抗策と指摘した。

 「オデッサ―ブロディ」は01年にウクライナが敷設。当初カスピ海沿岸などから石油を調達、それをブロディ経由で欧州に運ぶ計画だった。だが当時、石油がまったく調達できず、ロシアと契約し、04年からロシア産の石油をブロディからオデッサに運んでいる。

 ウクライナは、来年にも試験的に同ラインを使った輸送を行い、11年の本格稼動を目指す。国営石油パイプライン企業「ウクルトランスナフタ」のキリューシン会長は22日、「(契約中止の)通告をロシアに3カ月前に行えば、制裁措置などは受けない」と述べた。

 カスピ海沿岸のカザフスタンやトルクメニスタンは、現在、石油や天然ガスの輸出をロシア国内のパイプラインに依存している。ウクライナ、グルジアの主導で始まった今回の計画の実現には今後、これら資源国の協力が不可欠となる。
Excite エキサイト : 国際ニュース
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# by nekra | 2008-05-27 15:38 | ロシアと近隣諸国
 ロシア、TV報道も双頭体制?
  大統領と首相、露出度互角

 ロシアのメドヴェージェフ大統領、プーチン首相の新体制始動後、両者の主要テレビ局への登場時間がほぼ互角となった。「どちらが真のナンバーワン」かという興味がつきないなか、プーチン陣営にとっては首相が大統領並みの権力を握っている印象を国民に与えることに成功したといえそうだ。
 コメルサント紙によると、全国をカバーする3テレビ局の11日から16日までの定時ニュースの両氏の登場時間は、大統領が4時間51分、首相が4時間37分だった。


 5月27日付『日本経済新聞』
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# by nekra | 2008-05-27 09:26
 今回の人事をして、プーチンが4年後の返り咲きを視野に、自分の権力を保持する配置を行ったとする見方もある。例えば、権力志向の強いシロヴィキ派のセルゲイ・イワノフ、イーゴリ・セーチンらを首相府-すなわちプーチンの管轄下に、しかも水面下調整のしにくい政治の表舞台に引きずり出すことで、これを牽制する。その一方、自分に忠実で、法律・経済に明るいリベラル派と呼ばれる一派を重用することで、経済成長の持続と欧米諸国からの信頼を勝ち取る。

 この考え方では結局メドヴェージェフ大統領は、「お飾り」ということになる。
 またその前提は、メドヴェージェフが4年間あくまでもプーチンに忠実であった場合に限られるだろう。しかしロシアでは大統領の権限は絶大だ。1,2年後先のメドヴェージェフの施政、プーチンとの関係も変わることだろう。
 ともあれ、5月21日付AFP通信に興味深い記事が掲載された。今なお、プーチンが権力を一手に掌握しているとする記事だ。


 どっちがロシア大統領? 復活する席順からのクレムリン観測
2008年05月21日 22:59 発信地:モスクワ/ロシア

【5月21日 AFP】
ロシアを治めているのは、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領か、それともウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相か? 答えは、席順を見ればわかる。

 不透明さを増すロシアの政治体制を理解するうえで、観測筋は冗談にも思えるこうした旧ソ連的な「順番当てゲーム」に、大まじめに頼らざるを得ない状況だ。

■初会談で変わらなかった席順

 旧ソ連時代、「クレムリノロジスト」と呼ばれるアナリストらは、情報が極めて乏しいなかにあって、赤の広場でのパレードの政治局メンバーの顔ぶれや、共産党機関紙「プラウダ(Pravda)」を手がかりに、局内で誰が昇進し誰が降格されたかを判断したものだ。そして、ロシアトップの2人のうちどちらが国を動かしているのか、混乱が生じている今日、かつての「クレムリノロジスト」たちの出番となった。

 前週、その判定材料を目にしたクレムリノロジストたちは息をのんだ。国営テレビで放映されたクレムリンでの2人の初会談。その席順は、プーチン首相が大統領時代に閣僚たちを叱りつけていた時と同じだった。プーチン首相が左側の席に、メドベージェフ大統領は右側に座ったのだ。 

 これは、実権を握っているのがプーチン首相で、メドベージェフ大統領はお飾りにすぎないことを意味しているのだろうか?

■礼拝から戦勝記念日パレードまで、すべて分析材料

 カーネギー国際平和財団モスクワ・センター(Carnegie Moscow Centre)のアナリスト、マーシャ・リプマン(Masha Lipman)氏は「誰もが気付いていることだ」と答える。「それよりも前に、2人の大統領が夫人同伴でイースターの礼拝に出席したときも、政治マニアは注意深く観察していた。誰がいて誰がいなくて、今までと違う点はないか、と」

 ロシアの大統領がどうやって選ばれるのかを、どうにか理解しようとするなかで「メドベージェフ氏の背が、背の低いプーチン氏よりもさらに少しだけ低いから」という理屈を持ち出す者もいる。頭の毛の薄い人物とふさふさの人物が交代で就任する、との説もある。

 そして戦勝記念日(Victory Day)パレードが行われた9日、ちまたが騒いだのは、赤の広場に並んだ核ミサイルでも戦車でもなく、国営テレビが切り取った「閲兵するプーチンとメドベージェフ」の構図だった。

 英エコノミスト(Economist)誌は「マルクス、エンゲルス、レーニンの古い3連の祭壇画を見るようだった。まさに父と子、創設者とその追随者、偉大なるリーダーとその弟子だった」と評した。

■プーチン氏のしぐさにはすべて意味がある?

 お茶の葉を見て運を占うのにも似たこうした憶測は、完全に自由なメディアや透明な選挙というものが存在しないがためだ。政府内で何が起きているかを理解するための常套手段はないと、アナリストらは言う。

 米保守系シンクタンク「ヘリテージ財団(Heritage Foundation)」モスクワ支部のあるアナリストYevgeny Volk氏は、プーチン首相のどんなに些細なボディーランゲージにも、席順にも、必ず意味があると言う。

 一方で、先のリプマン氏は、あまりに些細な行動に深い意味を付与することには疑問符を付ける。「プーチン氏は、自分に取り入ろうとする人間たちをからかうことに特別な喜びを見いだしているのでは。2人とも単にわたしたちをからかっているだけじゃないかとさえ思う」(c)AFP/Sebastian Smith

 (http://www.afpbb.com/article/politics/2394137/2952337
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# by nekra | 2008-05-23 13:38
 ロシアのプーチン首相は15日、「政府幹部会」の設置を発表した。幹部会は閣議決定に必要な閣僚の5分の3(計15人)で構成され、従来の閣議も月1回は開くという。閣議の上部組織とする方針(5月15日時事通信社)で、「事実上の政府の最高意思決定機関」(5月16日付『日経新聞』)となる。
 「政府幹部会は政府令で設置が認められている。健康不安を抱えていたエリツィン元大統領のもとでは設置する首相もいたが、2000年にプーチン氏が大統領に就任してからは設置されていなかった」(5月16日付『日経新聞』)という。
 プーチン首相は、「閣議は鈍重で官僚的だ」と批判し、早急な課題対処のために機動性ある協議の必要性を説き、今後は幹部会を週1回のペースで開催して政策課題を審議するとしている。

この理由としては、 
 「プーチン内閣は今後、政府による大型投資を含む2011年までの国家発展計画策定のほか、インフレ対策などで困難な政策決定を迫られると予想されている」ために創設したとか、「大統領府に変わって首相を中心とする戦略決定能力を高める狙い」(時事通信社)があるなどと言われている。
 一つ確かなことは、この幹部会のメンバーは、すくなくともプーチン首相が、政治運営に際して信頼をおいている、あるいは自分の言うことを聞いてくれる政治家たちということだろう。
 とりあえず、幹部会参加者の顔ぶれを見てみたい。

 ウラジーミル・プーチン首相
 ヴィクトル・ズプコフ第一副首相
 イーゴリ・シュヴァロフ第一副首相
 アレクセイ・クドリン副首相兼財務相
 アレクサンドル・ジューコフ副首相
 セルゲイ・ソビャーニン副首相兼官房長官
 セルゲイ・イワノフ副首相
 イーゴリ・セーチン副首相
 セルゲイ・ラブロフ外相
 エルヴィラ・ナビウリナ経済発展相
 ラシード・ヌルガリエフ内相
 アレクセイ・ゴルジェイエフ農相
 ドミトリー・コザク地域発展相
 ヴァレーリー・セルジュコフ国防相
 タチアナ・ゴリコワ保健・社会発展相

 
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# by nekra | 2008-05-22 18:38