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新聞・雑誌等でみるロシア・CIS諸国の政治経済(愚考集)


by nekra
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双頭体制のスタート

プーチン氏、首相就任 ロシア下院承認 双頭体制がスタート
(2008年5月9日掲載)

 【モスクワ8日共同】ロシア下院は8日、メドベージェフ新大統領が指名したウラジーミル・プーチン前大統領(55)の首相就任を、共産党を除く賛成多数で承認、新旧大統領が政権運営に当たる異例の「双頭体制」がスタートした。
 プーチン氏は下院の7割を占める与党「統一ロシア」の党首にも就任し、同党を通じて議会や地方をまとめ、国民の高い支持を背景に当面、強い実権を維持するとみられる。同氏の首相就任は大統領就任前の1999年8月に続き二度目。
 下院でプーチン氏は、ロシアは購買力平価で換算した国内総生産(GDP)で今年中に英国を抜き世界6位になれると演説。10−15年で国民生活を世界最高水準に引き上げるとの目標を掲げ、長期にわたって政権にかかわる意欲をにじませた。高いインフレ率については数年以内に1けた台に抑えるとした。
 メドベージェフ大統領は承認に先立ち「プーチン氏は首相としてロシアの発展に重要な役割を担う」と説明。「疑いなく、われわれの二人三脚の協力関係は強固になっていく」と強調した。
 7日の就任演説で自由と法治主義を強調しリベラル色をにじませたメドベージェフ氏はプーチン氏と協議してきた新内閣の顔触れを近く発表する見通しで、政権人事で影響力を発揮できるかどうかが注目される。
 憲法上、大統領は首相解任権を握っており、メドベージェフ氏が力を付けた場合、プーチン氏との権力の均衡が崩れ政治的混乱に陥る恐れもあると指摘されている。
 7日の大統領交代に伴い、ズプコフ内閣は同日総辞職した。前閣僚は新内閣発足まで閣僚代行を務める。
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/display/5686/

ロシア:プーチン首相就任 下院承認、長期「双頭」体制に
 【モスクワ杉尾直哉】ロシア下院(定数450、欠員2)は8日、メドベージェフ新大統領が提案したウラジーミル・プーチン前大統領(55)の首相就任を承認した。新大統領はプーチン氏を首相に任命した。前日、連続3選を禁じた憲法に従い大統領を退任したばかりのプーチン氏は、任期のない首相として長期的に権力の中枢に居座ることが可能となった。

 採決では、下院の7割を占めるプーチン氏が率いる与党「統一ロシア」など、392議員が賛成。反対は共産党の56議員のみで、圧倒的な支持を受けた。

 これに先立ちプーチン氏は約45分演説し、「(大統領として)多くを達成したが、残した課題は大きい」と述べ、深刻なインフレの抑制や、教育・保健医療改革、軍人の昇給、産業の近代化を公約した。外交には触れず、「世界経済安定化のため、ロシアを国際的な金融センターの一つにする」と述べた。メドベージェフ大統領は「我々のタンデム(双頭体制)は強化される」と述べた。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080509ddm007030050000c.html


【私見】
 自分から仲が良いんだって言っている人に限って、大してそうでもないが政治の世界。
プーチンとメドヴェージェフは実はあんまり仲良くないなんて話がある。いわゆるシロヴィキ派とリベラル派っていう政策志向の相違だけじゃないかもしれないから難しい。
でも、そうなるとプーチンがメドヴェージェフの政治的地位を引き上げてきたのはわからなくなるか・・・暗殺未遂や政敵を貶めるスキャンダル工作とか簡単に起こる国だから、裏では色々な駆け引きがあったりするのかな。

 そうした意味でとりあえず、閣僚名簿は興味深い。
サンクトペテルブルク人脈やシロヴィキ派(その中にも色々あるんだろうけど)、エリツィン時代からの下野していない政治家たち・・・彼らの処遇次第で今のロシア政治が誰によって動かされているのか、今後どう展開するのか。ある程度予測することが出来るかもしれない。
 経済の繁栄や国民的人気を背景に、どの派とも上手く折り合いをつけてきたプーチンだけど、メドヴェージェフを大統領後継にして、自分は首相になって・・・もしかしたら一番大変なのは彼かもしれない。
 
by nekra | 2008-05-10 23:45